2017年5月3日水曜日

第三者検査について

第三者検査について

建築の施工時に第三者検査を受けることがあります。
瑕疵保険の検査も第三者検査です。

第三者の検査員に現場の状況を検査してもらう、こんな安心ありません。...
って、思っていませんか?


検査内容をよーく確認してみてください。

例えば基礎の配筋検査、第三者検査は建築基準法の適合、構造安全性の確認、瑕疵保険であれば設計施工基準の適合を「検査合格」としているわけではありません。

あくまでも、設計者からもらった基礎の図面と現場との「整合確認」に対して、整合チェックをしているだけです。

 図面通り現場ができていれば「検査合格」なのです。

よって、設計者が構造計算もせず、基礎のスパン表も使わず、経験と勘(構造計算経験のない人に経験の勘もありませんが)で描いた基礎の図面は建築基準法に適合していなくても、構造安全性の確保ができていなくても、瑕疵保険の設計施工基準に適合していなくても、第三者検査は「合格」します。

また、第三者検査合格により、第三者検査員に設計責任が行くわけではありません。

 第三者検査が設計責任を取ってはくれません。

第三者検査の意味を理解してください。

「構造塾」全国各地でスタートします!

「構造塾」講座が各地でスタートします。

5月10日(水)「構造塾」広島
5月11日(木)「構造塾」九州(福岡市)
5月17日(水)「構造塾」東京
5月18日(木)「構造塾」名古屋...
5月22日(月)「地盤構造塾」大阪
            「構造塾」大阪
5月23日(火)「構造塾」四国
5月24日(水)「構造塾」新潟
5月26日(金)「構造塾」北海道


さらに、会場追加のお知らせです。
「構造塾」群馬を6月27日よりスタートします。

7月には、岡山県・香川県で会場追加予定です。
静岡県も検討中です。

こんなに会場を増やしてスケジュールが大丈夫か不安はありますが、とにかく全国各地で構造塾を開催します。

皆様のご参加お待ちしております。

2017年4月3日月曜日

四号特例廃止について

四号特例廃止は、僕にとって、構造塾にとっての最大のミッションだと勝手に思っています。

・四号特例は廃止しなくても設計者が耐震性能の高い木造住宅を設計すればいいだけのこと
・熊本地震のように震度7の繰り返し地震には耐震等級3が必要で、...
 四号特例を廃止して仕様規定を順守したって足りない


などなど、ごもっともな正論をよく言われます。

 残念ながら造木住宅業界は、その正論通りに考え、責任感を持ち、本当にお客様のことを考えた設計や施工はできていません。

 今後もできそうにありません。

だからこそ、四号特例を廃止して「義務化」により強制的に耐震性能を高めなければ、木造住宅の地震倒壊被害はなくなることはありません。

・そんな設計者、そんな会社は「いずれ淘汰される!」

働き始めた二十数年前からそれは聞いていました。
しかし、そんな設計者も、そんな会社も淘汰されず生き続けています。
仮に淘汰されたとしても、淘汰されるまでの「いずれ」の間にも耐震性能の不明確な木造住宅を造り続けることになります。

建築基準法を改正するには色々なシガラミや損得がありすぎて、それらが家を建てる方々の命よりも優先されているように感じます。

そうであれば、もう少し小さな範囲で改革ができるのではと思っています。ここ最近数名の方より同じようなヒントを頂きました

例えば「都道府県条例」で確認申請時に四号建築物仕様規定の検討を添付義務化する。

 実質、四号特例廃止です。

すでに実施しているところがいくつかあり、設計者はしっかりと対応しています。
これかもしれない!と、思っているところです。

一体何から手を付けて良いのかわかりませんが・・、
希望が少し見えてきたようにも感じています・・。

2017年3月31日金曜日

「直下率」の大切さ その2

柱や耐力壁が上下階で揃っている割合を直下率といいます。

熊本地震以降、直下率の話題が出ています。...

 ・木造住宅の倒壊原因のひとつが直下率である
 ・直下率は地震による倒壊原因ではない。


などなど、様々な見解があります。
そこから懸念される問題点を「その1」では話しました。


続きです。

そもそも、建物を造るときの根本を考えてみましょう。

建物を造るときの基本中の基本は直下率を良くすることです。
「直下率を良くすることは建築基準法にない!」
と、言われることがありますが、あまりにも基本的なことであるため、そんなことは規定するまでもないのです。
(規定がないから何でもよい、という発想もやめましょう)

いつから、在来軸組構法の設計者は直下率が悪いことの言い訳ばかりするようになったのでしょうか?
 ・在来は自由設計だ
 ・お客様の夢をかなえたら直下率が悪くなった
 ・直下率など考えていたら私のデザインが崩れる

自由設計とは自由度が高いだけで、デタラメな設計ではありません。
お客様は直下率が悪い家を造ってほしいという夢を描いていません。
勘違いしないでください、デザイナーではありません、建築士です。
勘違いしないでください、あなたの作品ではありません、お客様の大切な住宅です。

いつから、在来軸組構法だけが直下率を無視してよいとなったのでしょうか?
 ・水平構面を強くすれば大丈夫
 ・横架材を大きくすれば大丈夫

そんなことは構造計算すれば計算上安全性が確保できることはわかっています。

そういうことではありません。

直下率が悪いことにより、強く作った水平構面
直下率が悪いことにより、大きくなった横架材

この影響によるコストアップは誰が支払いますか?
すべてお客様です。
直下率の悪い設計をした設計者は全くコストアップの影響を受けません。

これも忘れてはいけません。

まずは、基本に立ち返りましょう。
直下率を良くすることから在来軸組構法を設計してみませんか。

「直下率」の大切さ その1

柱や耐力壁が上下階で揃っている割合を直下率といいます。

熊本地震以降、直下率の話題が出ています。

・木造住宅の倒壊原因のひとつが直下率である。...
・直下率は地震による倒壊原因ではない
などなど、様々な見解があるようです。


結局のところ、どうなのでしょう?

もう少し、説明が必要です。
・木造住宅の倒壊原因のひとつが直下率である。
→水平構面が弱いと上下階のずれた耐力壁は地震力を伝達できません。
    よって、直下率が悪く水平構面も弱いと倒壊原因になる可能性大です。

・直下率は地震による倒壊原因ではない
→直下率の悪さだけが問題ではなく、水平構面との組合せです。

このように、直下率の悪さと水平構面の弱さはセットで考える必要があります。

その他にも、倒壊原因は多々あると思います。
・耐力壁直下率が悪いと、2階耐力壁は床は梁のみで支えられます。この耐力壁を支える梁断面が小さいと、梁の上にある耐力壁は耐力を全て発揮できない。

こんなことも考えられます。

2017年3月12日日曜日

木造住宅の耐震性能は三世代にわかれている

東日本大震災から6年。
熊本地震から間もなく1年
阪神淡路大震災から22年
その間も各地で地震が発生しています。

木造住宅の耐震性能が大切なことは、誰もが知っています。
しかし、耐震性能を確実に計算で示している木造住宅はまだまだ少ないと思います。

木造住宅の耐震性能は三世代にわかれています。
■1981年基準法改正前の「旧耐震」
■1981年から2000年基準法改正までの「新耐震」
■2000年基準法改正後の「現行基準」

1981年の基準法改正で、令46条壁量計算の地震力に対する必要壁量算出用の床面積に乗ずる数値と壁倍率が現在の数値になりました。

しかし、1995年阪神淡路大震災で、耐力壁の配置バランスの悪い建物の倒壊、耐力壁両端柱の柱頭柱脚が抜けることによる建物倒壊がありました。
そこで、2000年の基準法改正で、壁量計算に加え、耐力壁の配置バランス「四分割法」、耐力壁両端柱の柱頭柱脚接合方法「N値計算」または「告示による方法」他が加わりました。

この「三世代の木造住宅」を見て、多くの設計者は
「2000年以降にできた木造住宅は安全だ」
と何故か思っているようです。

法律が改正されても、改正された法律を理解し、構造検討などをしなければ耐震性能は何も変わっていません。

 四号特例の誤解が、未だ続いている木造住宅業界では、2000年以降の木造住宅がすべて現行基準を満たしているとはとても言えません。


木造住宅の耐震性能を本気で考えましょう!

2017年3月11日土曜日

津波と耐震性能について

津波被害に関する大きな誤解。
東日本大震災において、津波が甚大な被害をもたらしました。
その影響で、先日高知県で聞いた話では、津波で木造住宅は流されてしまうから耐震性能を良くしても意味がないと思っている方が多いようです。
この話は、東日本大震災後にもよく聞きました。
...
では、本当に津波の被害がある場所では木造住宅の耐震性能が不要なのか??
これは大きな間違いです。
耐震性能の低い木造住宅は、地震により倒壊する可能性があります。仮に倒壊した木造住宅に挟まれてしまった人は、その後に襲ってくる津波から逃げることすらできません。
それと、耐震性能の低い木造住宅は地震で倒壊し、道路を塞いでしまう可能性もあります。
そうすると、高台や避難施設に津波から逃げようとする人たちの避難経路を塞いでしまいます。
このように、津波の恐れのある地域であっても木造住宅の耐震性能を確保することは必須なのです。
そして先日、高知県で見つけた避難タワー。津波が来た時に避難する場所です。
しかし、避難タワー周辺の木造住宅の耐震性能が低い状態だと、避難タワーに行く道がふさがれることも考えられます。
ぜひ、木造住宅の耐震性能を本気で考えてください。
新築では、構造計算や構造検討により耐震性能を明確にして下さい。
既存木造住宅は耐震診断、補強設計を進めてください。
*熊本地震現地調査報告セミナー、構造塾オープンセミナー内容の抜粋です。