2017年7月18日火曜日

木造住宅は誰のためにつくるのか?

先日、ある工務店の社長と話しました。

 地域密着で木造住宅をつくっています。

 性能面は、これといって特徴無し。耐震性能、省エネ性能すべてが不明確・・・。
でも、一生懸命?まじめに?木造住宅をつくっています。


そこで、長期優良住宅の話をしました。
耐震性能、省エネ性能、劣化対策などなど、性能面が明確化します。金利優遇・税制優遇があります。グリーン化事業があるため補助金も利用できます。
お客様にとってメリットたくさん。このメリットが工務店にとっても売りになります。

ところが、
「長期はまだいいかな?難しそうだし」


なんじゃそりゃ!!


お客様は数十年のローンを抱えるんですよ。
家族が幸せに住み続ける夢みる住宅ですよ。
震災時には命を守るべき住宅ですよ。

なのに、「まだいいかな」って、何が「まだ」なんですか?
いつになればいいんですか?

 「難しそうだし」って、勉強しましょ!
難しくないから!

こんなかるーい感じで「住宅」をつくっていませんか?
住宅は消耗品じゃないですよ。

 失敗したら買い替える、
飽きたら買い替える、
そういうものじゃありません。

もっと責任感をもってつくりませんか。

根拠はないけれど割合の話

住宅着工数が50%減!
こんな状況になると大変ですよね。

売り上げが半分になってしまう!
などと考えるかもしれません。

でも、これってそんなに影響することなのでしょうか??


年間100棟や1000棟、10000棟も住宅をつくっている会社は影響あると思いますが、
しかし、年間5棟、10棟の住宅をつくっている会社であればあまり影響ないのではと思ってしまいます。


で、蓋を開くと、
 着工数が減らないように努力をした100棟から10000棟クラスの会社が平均20%減、努力をせず、着工数が減るから仕事が減るはずと思い込み努力をしない会社が80%減、
全国平均してみたら50%減、こんな状況になってしまうのではないでしょうか。


そもそも、年間5棟、10棟であれば、例年同様5組、10組のお客様がいれば全国平均の住宅着工数減に影響されないと思っています。

とうぜん、そのための努力は必要です。

甘い考えなのかな?

 根拠はさほどありませんが、そう思います。

2017年7月8日土曜日

定食屋とこだわりのラーメン店

 工務店はもっと「こだわりのラーメン店」のように得意な住宅造りをどんどん前面に出していくと、独自性が見えてくると思います。

でも、沢山のお客様が顧客になるよう「定食屋」をやりたがります。
あれもこれも何でもできる。
それって、何が得意なのか全く見えてきません。


定食屋よりダメなのは、
・あなた好みの食べ物をなんでもつくりますよ
・味もあなた好みにしますよ
・だから何か食べたいものを言ってください
こんな定食屋はメンドクサイし、どんな味の食べ物を作れるのかわからないから期待感も少ない・・・。

だからもっとお客様に期待してもらえるような「こだわりのラーメン店」が良いと思います。

そして、基本の味は決めましょう。その味がおいしければファンができます。
基本の味はお客様に決めてもらうものではありません。
だからと言って、好みも聞かず押しつけも良くありません。

むかしと違って家造りは変わっています。
「この地域ではこの工務店に家をつくってもらう」
という形態はなくなりました。
「この地域ではこの工務店に家をつくってもらう」
時代では、工務店は何でもつくれる定食屋である必要がありました。

でも今は違います。
情報があふれているため、お客様は自分好みの家をつくってくれる会社や事務所を調べます。
だから、独自性をだして情報発信する必要があります。

情報発信しないで、仕事がないと言う方が多いと思います。
「こだわりのラーメン店なんて人が来ない!」
「だれもラーメンつくってほしいと言ってこない」と・・・。

そうですよ、来るはずありません。
「僕は誰にも負けないくらいおいしいラーメンが作れる、でも僕にラーメンをつくってほしいと言う人がいないからお店を出せない」

こんなことを言っているのと同じです。
だから、お店を出して、情報を発信しないと。
と、思います。

2017年7月6日木曜日

構造設計者と意匠設計者のおかしな会話

木造住宅業界でよくあるおかしな会話です。

 意匠設計者より、
「この物件のお客様は予算があるので構造計算お願いします」
といって構造計算依頼が来ます。


おかしいですよね?

お客様の予算が少ない場合はどうするんですか?
と聞くと意匠設計者より、
「予算がなければ構造計算しません!」
「そんなことはお客さなには伝える必要ありません、だって予算がないのだから!」
と、平然と言われます。

耐震性能はどうやって確認するの?
お決まりの経験と勘ですか??
(以前書きましたが、構造計算をしたことのない方には、そもそも経験はなく、当然勘も働きません)

こんなおかしな会話が構造設計者と意匠設計者の間では行われています。

■何がおかしい会話?
■だって予算がなければ構造計算費用が出ないのだから仕方がないでしょう!

もし、本気でそう思っているのならば、以前書いた建築士の責務や倫理観をよく読んでください。
耐震性能などの構造安全性は予算の有無で「やる」、「やらない」を決めるものではありません。
必ず計算して安全性を確認する必要があります。

それでもわからなければ、構造計算を「断熱材」に置き換えて考えてみてください。
「予算があるから断熱材を入れる」
「予算がないから断熱材は入れない」
「そんなことはお客様に伝える必要ありません、だって予算がないのだから!」
こんなことは絶対にしませんよね。
予算の大小に関わらず断熱材は必ず入れますよね。

こんな低レベルの会話はもうやめましょう。
建築士なんですから・・。
予算の大小で決めるのは、耐震等級レベルや制振装置の検討などではないでしょうか。

2017年7月5日水曜日

構造に関する勘違い

木造住宅の構造安全性について勘違いされていることがあります。
それは、以下の通り。
■柱や梁など部材の断面算定はプレカット業者が構造計算しているはず
■地盤の安全性や基礎については地盤業者が安全性を確認しているはず


皆さんも、このように思っていませんか?

そもそも、木造住宅に限らず建築物の構造安全性を確認するのは建築士の責任です。

プレカット業者や地盤業者の方々は、建築士のためにボランティアや慈善事業で構造計算はしません。

構造計算の依頼もせず、計算費用も支払わず、責任だけは取れ!などという勝手な都合で誰も構造計算はしません。

最近は、構造計算を標準としているプレカット業者もありますが、通常は建築士から依頼もされず構造計算を行うことはありません。
そんな話をすると、「あいつらにやらせる!」という建築士が多くいます。

プレカット業者も地盤業者も「あいつら」ではありませんし、建築士ができない計算を「やらせる!」という依頼のしかたもおかしいと思ってください。


なぜ、自分ができない構造計算をそんなに上から目線で命令するのか、そのおかしさを知ってください。


そしてもう一つの勘違い。
「計算してなくても、部材寸法が間違っていたり、地盤判定に間違いがあればプレカット業者、地盤業者に責任を取らせる」

こんなふうに思っていませんか?

 彼らは建築基準法上の設計責任はとれません。

プレカット業者から出てくる伏図、地盤業者から出てくる地盤調査結果、地盤の評価・判定、地盤補強の設計など、これらの図面や書類に「建築士事務所の名称や登録番号、建築士の氏名や登録番号」はありません。

だから依頼者である建築士に承認をもらいます。
そこで、依頼者である建築士の設計責任となるわけです。

なので、安易に承認をしないことです。
自分自身で安全性に問題がないか計算や検討をするか、
構造計算をプレカット業者、構造設計者に依頼するか、
何らかの方法で、設計責任が取れるようにして下さい。

2017年7月4日火曜日

7月の予定

7月の予定です。
関係者の皆様、いつもながら予定の確認をお願いいたします。
また、「構造塾」は初めての方向けに「お試し参加」もできます。興味のある方はご連絡ください。
Facebookメッセージで構いません。
よろしくお願いいたします。

7月 3日(月):AM 東海木造住宅協会セミナー(岐阜市)
7月 3日(月):PM「構造塾」名古屋(名古屋市)
7月 5日(水):「構造塾」東京(都内)
7月 7日(金):福井コンピュータセミナー(さいたま市)
7月10日(月):パナソニック研修(掛川市)
7月11日(火):ナイスセミナー(横浜市)
7月11日(火):リフォーム産業フェア(都内)
7月12日(水):「構造塾」高松プレセミナー(高松市)
7月13日(木):「構造塾」松山(松山市)
7月14日(金):AM「地盤構造塾」大阪(大阪市)
7月14日(金):PM「構造塾」大阪(大阪市)
7月19日(水):「構造塾」北海道(札幌市)
7月20日(木):Keypoint版構造塾(恵那市)
7月24日(月):パナソニック研修(宇都宮市)
7月25日(火):ツーバイフォー協会セミナー(都内)
7月27日(木):パナソニック研修(新潟市)
7月28日(金):「構造塾」岡山(岡山市)
7月29日(土):南海大地震復興相談準備室
        プロ向けセミナー(高知市)
7月30日(日):AM一般ユーザーセミナー(高知市)
7月30日(日):PMプロ向けセミナー(高知市)

住宅業界と自動車業界の違い

いきなりですが質問です。

 今、皆さん車を持っていません。しかし、すぐに車が必要で買わなければいけません。どんな車を買いますか?

それぞれ、費用、用途などを考え買うべき車がイメージできたと思います。

例えば、軽自動車、低燃費車、ワンボックス、SUV、高級車などなど結構具体的にイメージできるはずです。
なので、軽自動車を買おうと思う人はベンツを見に行きませんよね。
それは、自動車業界は車の費用と種類を明確に分けているため車を買おうとしている人も費用と種類をおおよそ理解しているからです。

ところが住宅業界はどうでしょう?

軽自動車から高級車まですべてが同じ土俵にあるように見えます。

だから、予算は軽自動車の人も本気でベンツが買えないのか悩みます。
そしてベンツの営業マンにベンツが軽自動車の予算で買えないか相談し、営業マンも仕事欲しさに本気で何とかならないか悩みます。

これが住宅業界ではないでしょうか。

自社の独自性が明確ではないため、このような状況になっています。

全国各地でたくさんの住宅業界の方とお会いします。
多くの方は地域密着で仕事をしています。
そしてローコストメーカーを脅威に感じています。

ローコストメーカーは軽自動車メーカーだと思えば答えは簡単で、地域密着で軽自動車じゃない車をつくれば脅威に感じる必要はありません。

その代わり、どんな車でもつくれます!ってのは、独自性が見えないのでお客様からも選ばれません。

各地で忙しい会社は、独自性が明確です。

ぜひ、どんな住宅つくりが得意なのか、予算はどの程度かなど明確にしてみてはいかがでしょうか。