2013年6月12日水曜日

裁判と弁護士について思うこと・・・

構造計算を業務としていると、裁判関連の相談が時々来ます。
消費者側の相談だったり、請負者側であったりと様々です。
(以下、正確な表現ではないかもしれません)

何度か裁判用の資料を作ったり、地方裁判所で証人尋問をしたこともありました・・。

そもそも、裁判になること自体、何らかのトラブルが発生しているのであまり関わりたくないのですが、それよりも嫌なのが弁護士とのやり取りです。

勝手な想像で、建築関連の裁判は建築に強い弁護士が行うのかと思っていましたが、
そんなに都合の良い方はいないようで、建築には超素人の弁護士が弁護し合います・・。
建築基準法に関する解釈がめちゃくちゃだったり、
消費者のあきらかにクレームと言えることに輪をかけて正当性を主張したり、
請負者のあきらかに設計・施工ミスにこれでもかと輪をかけて正当性を主張したりと
本当に疲れます。というか、切なくなります・・。

さほど多くない裁判関連の経験で学んだことは以下の通りです。
①テレビドラマでよくある、
 弁護士1:「正義はどこにあるんですか!」
 弁護士2:「裁判に勝った方が正義になるんだ!」
 という嘘のような世界は現実であること。これは本当に思います!

②ひどい設計や施工物件で大変な思いをして泣く泣く訴訟を起こした消費者の多くは、被告のお金を掛けた強い弁護士の屁理屈ともいえる主張で負けるケースが多いこと。

③上記②同様に、弱い弁護士の本当の正義は、強い弁護士の曲がった主張に負けること。

④公平に判断する裁判官は、結局建築には素人なので、主張の強い又は上手い方が勝訴すること。

⑤証人尋問は証人の話を聞くよりも話していることを突然止めさせたり、嫌味なことを言って、怒らせたりする心理作戦があること・・。

⑥個人事務所の弁護士は大手弁護士事務所が相手だと急に弱気になること。

なんで、こんな話をするのかと言うと、
数年前よりあまりにもひどい施工で内部結露等で構造躯体、床など腐りはじめ
住める状態ではなくなった木造住宅があります。
そこの施主は7年前訴訟を起こし、地方裁判所で勝訴しました。
(ちなみに僕は全く関わっていません)

そしたら、先日この木造住宅を施工した工務店(地裁で敗訴した被告)が控訴しました。
施主は長期の裁判と弁護士費用等で疲れ果てているのに、まだ裁判は終わりません・・。
控訴した工務店が、弁護士を変えて地方裁判所での施主の意見に対する反論を出してきました。
(意見を見て欲しいとここで僕は相談を受けました)

まあ、工務店側の弁護士の反論のひどいこと・・。
建築基準法の解釈の間違え過ぎ、構造や省エネに関することも反論しているけど
内容のめちゃくちゃなこと・・。ホント切なくなりました・・。

・床が腐って無くなっても家が倒壊することはないから問題ない
・床は荷重や地震力を負担しないから腐っても家は安全だ
こんな感じです・・。

でもその弁護士事務所は、住宅関連では超有名で弁護士もたくさんいます。
施主側の弁護士は個人事務所で、若く建築の裁判経験なし・・。

あきらかに負けます・・。
施主の泣き寝入りは目に見えています・・。

今回の施主のように本当に切ない思いをしている人がいるけれど、
現在の司法制度というよりは、裁判というものは一般人の常識や良心をもった人間にはできないことなんだと思います。
こんなことを日常的に行っていると、おかしいことが当たり前になるんだなと感じます。

これから、この相談案件どうしようか迷っています・・。

それと、あの有名な弁護士事務所がこんな工務店の弁護もするんだなとガッカリしています。
結局、皆同じなのかと・・。
消費者をひねりつぶしてでも、工務店を守るんだなと・・。

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